それにしても、この大雪で皆大変だな。
[温かいハーブティを一口飲んで、こりゃホッとする味だとため息を吐いた。]
宿屋に珍しく二人も客がいるってのに、当分足止めになるし。
そういえば、金髪の青年―ニコラスって名前だけど―が5年前に村に来たときは、まだヨアヒムはここにいなかったっけ。
黒髪のアルビンは昨日初めて村に来た商人だそうだ。今後お前のように村に馴染めるといいな、楽しみだ。
[薬師のお陰で、ピンと張っていた緊張の糸が緩んだような気がする。
雑談を振ったときには、普段と変わらぬ笑顔を浮かべられていた。*]