おまえ、は。 ぼくを、こんな体にしてもまだ、 満足、……しないというの。[ それは他者を気遣う迷い子の想い。 結果的に逸れた魔力は僅かであれど 完全なる精神の支配は免れた。 迷い子の声は上擦るもの瞳だけは 爛々と光りながら邪眼を見抜く。 三面の鏡に背き優雅に腰掛ける男を睨み 引き摺るようにして男に近付いた。 足元まで辿り着けなくとも構わない。 その顔を見てやれたらそれで良かった。 ]