[ちゃっかりと高位の騎士の間に潜り込むヤコブの後ろに、これまたちゃっかりと付いていって、身分よりは明らかに前方の位置にいた。
同じヤコブの後ろでも、3年前より近づいた位置にいたかったのだ。
しっかりと見詰める前には長く見ていなかった騎士団長の姿がある。
具合が悪いとは噂に聞いていたが自分にはまったくそう見えずに、むしろ衰えることのない鋭い眼光に身が引き締まる思いだった。
その騎士団長から、ソマリアードに装飾が施された長剣が引き継がれる。
彼に関しては色々な噂が飛び交っていたのだが、こうしてなんともなかったことを見せられると、それだけで団員の士気があがってゆく。
勿論、自分もそうだった。
その想いはじっと彼の紡ぐ言葉を聞いているうちにますます高まってゆく。
そうだ。盾となり矛となり、例え自分になにがあろうとこの命が役に立つようにと。
ずっと努力してきたのだから。
周りから唱和の声が聞こえる。負けじと大きな声で叫んだ]
"鍵"のご加護あれ!