[天を目指すのであれば、宙を駆ける脚が必要になる。 だが、魔力の消費を抑えるための二本脚に空を渡る術はない。] ――――……、[小さく息整え、緩く瞼を下すと意識を身体の中心に集中させた。 足元に紫紺の光が浮かび上がり、己を核として魔法陣が走る。 人の理性と獣の本能を入れ替えれば、鎖から解き放たれたように人体の輪郭が一度闇に帰して、時を置かず再び再構築される。 ―――― 二本脚の姿ではない、 戦車《チャリオット》ほども在ろうかと言う、四脚の姿に。]