[その白雪も、暫くすれば上空に飛ばしてしまうのだが、その時に憧れのような言葉を聞いた。]
…… 相棒は作ればいいさ。
そこにウェルを思う人が居るのなら。
[それは、何かしら格好良い生き物を相棒として連れたいと思っていたのなら、まるで意味のない言葉だったが、扨。
飄々とした雰囲気が時折剥がれる時があったが、恐らくはこの時が一番はっきりと分かりやすかっただろう。
それでも、話題が移れば鷹狩の話を語り、その様子が見たいと言われたら今度近郊の林まで出かけようかと誘いをかけたりもしただろう。
そこに、少なくとも嫌そうな雰囲気はなかった筈だ。
ただ、それが王子だったと知ってしまえば、会う訳にもいかなくなる。
自然とその店の周辺は避けるようになり、王宮に出入りするのも気を付けるようになった。>>206]