― クリーク砦 ―[杯を傾ける男らの中>>56に、この男の姿もあった。視界の隅には、壁に凭れて眠るディーク>>5の姿がある。男の手にもまた、酒のジョッキが握られている。先に辺境伯との戦いの折、負った傷は未だ新しい。着込んだ衣服の下、肩から背にかけきつく包帯が巻かれてある。だがこの男は、それに何一つ表情を変えることがなかった。眠るディークを守るかのように、自然な態でその傍らに酒を煽っている。]