[引っ込み思案の小さい弟に、兄がくれた古いカード。いつかルームメイトに聞かれて、同じ話をしたことがあった。ステファンにも、これを見せて遊んだことがあったはずだ。幸運は気のせいだと、もはや子どもならざる男は知っている。それでも祈りと記憶は、願いに変わって残り続ける。…どうということのない、温かい過去の記憶。これを意識を取り戻さない彼の傍らに、願いと共に置いていく]