―第二エリア・医務室―
(あれ?こんなの、付いてたっけ?)
[二人とも遅いなと呟きながら、弄りまわしていた手元の上着を見て、ふと思う。
普段は白衣で隠れるであろう位置に、見慣れない徽章がつけられていた。>>180]
……え、これって。
[零れた言葉は、タイミングよく鳴った電子音にかき消され、届いたものはいなかっただろう。
どうやらカークからの通信らしい。
シメオンが応対するのを聞きながら>>177、その襟章を凝視した。
一介の"船医"にしては、……身分が高すぎるそれ。
本物か?
……いや、偽物をつけた上着を他人に貸さないだろうし……おそらく本物なのだろう。
それが、ハダリーの言っていた"一番高い機密"と関係しているのだろうか。]