― 天龍滝・滝口 ―
[足場の悪い所でも、ココンに乗っていれば平気――なのだが。
手を伸ばした先の欠片は、岩陰に隠れるように逃げてしまう]
[ならば、と次に狙ったのは、そこらの鳥よりも大きな蜻蛉に変じた欠片。
すいすいと飛ぶ軌道をココンの風で乱しつつ、槍で叩き落とそうとする。
しかしそれも、風を切るような動きで逃げられてしまった]
駄目ですねぇ。
[妙な力の働いた生物とはいえ、風に対抗されて負けるのはやはり悔しい。
ココンはそこまで戦っている意識もないらしく、だめだったねぇ、とのんびりした声で鳴いた*]