― 『世界軸』中層・儀式の間 ―
[不意に、何もなかった空間に光が揺らめく。
間を置いて現れたのは、どこか疲れたような様子の神子の姿]
……ふう。
仕方ないとはいえ、やっぱり下層の空気は重い、なあ。
[零れ落ちるのは、強い疲労を帯びた声ひとつ。
それでも、止まっている猶予はない、と自らに言い聞かせつつ、神子は己が分身たる仔竜たちに意識を向ける]
……コスモ。キアラ殿とミリアム殿の試練を見届けたら、彼女たちに伝えてほしい。
休息の後に、『奥の院』まで来てほしい、と。
彼女たちだけが通れるよう、門をあけておくから。
マリアは、トーマス殿とシルキー殿に、八竜が一『幽冥』の討伐をお願いして。
それから、『陽光の間』からアレのいる場所への道を繋いでおくれ。
……ああ、こちらにも十分に休んでもらう事を忘れないようにね。
[呼びかけに、仔竜たちはそれぞれの居場所できゅう、きゃう、と声を上げる]