[つい聞いてしまったのには理由がある。
かつてタクマの家に引き取られてきたばかりの頃、シュテルンは良く発作を起こしていた。それを直接目にしたことはない。
だが、そうしたことがあるとはタクマに聞いた。心理的なものであろうということだった。
案ずるように語られた話が脳裏を過ぎる。
シュテルンの所属艦はシコンにあった。
であれば脱出の時か、その後にか。何かあったかと案じてしまうのは、過去が過ぎる所為。そして、]
………… あいつ、心配してたからなあ。
[笑み含んだやわらかな視線が、彼の養い子へと向かう。]