― 凍柊の領域― ぃ、ぎ……ッ、[鋭い杭の様な幾つもの氷塊が内側から心臓を穿つよう生えた。 不可思議にも裂傷が出来たり、血こそ流れ無いものの、激痛が走っている事に相違ない。 ビキリ、ビキリ、と成長した氷の牙は、胸部・背側の別無く、抉る様に侵食を進め、末端は礫の様な氷の結晶となりながら全身に広がってゆく。 神経系の通っている頚椎を這い登り/這い降り、蜘蛛の巣の様に全方向へと奔ってゆく。 其れは内側から食われる如き有様でもあったか。*]