[ 先より強い力で押し返す腕に合わせて、首がぐらんと揺れる。
切られた傷口はみるみる塞がっていくのに、胡乱な眼は地面を見つめていた。
不可抗力で腕を離せば、抜け殻のような人間の身体がそこに座り込んだまま。
剣を抜いて先を急ごうとする相手の声で、ようやく我に返った。]
ぁ、うん……早く行こう。
[剣を持てるようになるまでに回復した相手に笑みを浮かべる。
それは、少しぎこちないようにも見えるだろうけれど。
立ち上がって先行く相手の背中を追う。
落ち葉がリヒャルトの着物に付いているのに気がつけば、くすりと笑って払う為に手を伸ばし、]