こんな風にお前の自由を奪うなど、俺には造作もないことなんだよ。 死にたくなかったら、変な気は起こさない方がいい。[にたり、と笑って再度彼に背を向けて。どこかぼやけた焦点の目は彼には見せない。勝手知ったる館を何事もなかったように、‟見えていない”眼のまま歩きだす。力を使った後は反動で眼が見えなくなる。魔族だからといって力が万全だったり万能だったりするわけではないのだ。───特に自分のような者は]