俺は、ただ貴方に拳が届くのか確かめたかった。それだけなんだと思います。
[ 目を伏せて、そう呟いた後、回りには聞こえぬよう、声音を低く落とした ]
陛下…俺の養い子は、もともとモルトガット帝国の出身です。
あいつは、フェリシアの養親に引き取られ…そこで帝国の侵攻によりその養父母を喪い…俺のところに来て、ウルケルの軍人になった…
[ す、と視線がシュテルンを見やり、また皇帝の上に戻される ]
そして先日の戦闘で…帝国軍に居た幼馴染みと複葉機で撃ち合って、あいつだけが生き残った。
[ その言葉は、皇帝の記憶を呼び起こしたろうか? ]