― バルコニー>>209 ―[やわらかい舌と指先が全身を襲い、そよ風のように繊細でありながら、嵐のように強引に自分を攫っていく。理性を溶かして、何か別のものに変えてゆく。] ふ ぅうぅ[目尻に涙を滲ませ、啼いた。あの時の女みたいな声だ、と思うが、後から後から噛み締めた唇の間から洩れて止まらない。行き場のない両手をぎゅっと握りしめて、秘めた場所を擦る指に耐える。ゆっくり力を抜けと言われても、そう簡単にできたら苦労しない。と言うか、やっぱりそこに挿れるのか、とちょっと呆然。]