― 森 ―
[ クレステッドの呼び声に応えて、鈴鳴る声の主が姿を表す。
湖の空に消えていったあの子だった。
クレステッドが「きょうだい」だと紹介するのを聞いて、嬉しいやら畏れ多いやらで、言葉が詰まった。
ミーネが語りかけているのが自分だと、途中から気づく。>>198]
お手数をおかけしたことを知りもせず、失礼いたしました。
ご心配をおかけして申し訳ありません。
[ この森へ来る以前のことを思い出すだけで気分が悪くなり、つい平坦な口調になったが、
ミーネの安堵の笑みに、ふと癒される。
あどけなくもそれは、辛さを乗り越えた者の顔に見えた。]