[弟がいるという話は良くしていた。
そのため、レトの方がディークの事を一方的に知っていた事になる。
>>62そのために生じた弟の苦悩には気づかずに]
まァ、今度みんなで一緒に酒でも飲めたら良いよな
[そう、手元のワインを煽った。
ワインボトルを片手で掴むと、
少し上の方から、自らのグラスに注ぎ足す。
赤い液体がグラスの半分ほどまで満ち満ちれば、
――スッ、と瓶の口を持ち上げて。
その場で身を乗り出し、
ディークやリエヴル、フェリクスのグラスへも継ぎ足すと。
『兄ちゃんの願いは、俺と一緒にここから出ること――だよね?』
そんな、真っ直ぐな弟の視線と目が合った]