人狼物語−薔薇の下国

497 堕天の服従試験


蒼眼の天使 カレル


[ 覗かれるのが嫌いとは以前も耳にした。
 彼は自らの内側について疎い気はしていたが、
 これ程までに自身というテリトリーを
 遵守しているのだろうかと瞬きを繰り返す。

 今も、覗かれる事はいやなのだろうか。
 いや、それならここに連れてくる事はない筈だ。
 しがみついていたのは体だけではなかった。
 押し黙る中にも沢山の考えは浮かんでいた。 ]

  籠の中に閉じ込めなくたってぼくは――
  でも、……もし、覗かれたくないと言うなら、
  この眸を塞いで。

[ ただの喩え話だろうに真面目な声をして答えた。
 どうにもこうにも情緒が不安定で定まらない。
 そしてようやっと気付くのだ。
 彼の加護を得ようと籠は求めない。
 愛玩ではなく彼と対等に在りたい。

 言葉の綾と理解しながらも切々と
 彼に対する鈍い痛みを伴う想いを
 募らせて拗らせていた。 ]

(214) 2018/03/31(Sat) 04:59:01 (24kisouth)

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