[目につくところをひとしきり破壊して満足した魔王は、ナールを燃え上がる野営地へと向けさせた。人間がほぼいなくなった場所に、いくつかの気配がある。玩具が壊れて落ちているなら拾っておくかと、───ついでに楽しみのひとつでもしようかと、上空をぐるりと回って見下ろした。そこにシメオンと、その僕と、壊れた人形と、人形によく似た顔立ちの人間がいた。] ふん?[興味を引かれた顔で鼻を鳴らし、ナールを降下させていく。]