しかしね――スノウくんの、最悪の場合の話(>>1:130)を、覚えているかな。
全員寄生されて、人狼になって、この船も乗っ取られる。そう言っていた、あれだ。
寄生されて、人狼になってしまえば――世界にとっての災厄になるわけだ、私が。
ガルー種は、寄生した宿主の知識を用いる場合さえあるというからね。
これまでの貢献など、差し引きゼロどころか、マイナスにさえなるかもしれない。
[一度、言葉を切って――その未来を想像して、顔をしかめる]
――私はね、そんな自分を認められない。
私はずっとやりたい放題やってきたが、一線は守ってきたつもりだ。
誰の役にも立たない、誰も救われないような研究はしないというね。
[だから、自分の知識が、研究が、ガルーに悪用される危険があるなら]