[天使の群れが弓矢をつがえる(>>200)のが見えた。
あの集団が頭に響く命令と同じ勢力であるのは瞬時に知覚した。
あれは、余を敵と認識していない――この直感もさることながら、これを利用しようという発想力、そしてただの思いつきに生命を賭けられる決断力が女王の覇気を支える才能だった。
女王は、皆が空を見上げているのを追い越すように即座に十数歩前に出て――優美に向きを変え、天使たちを背中に受け、人間たちを正面に見据えた。]
全艦に告ぐ――
[天使の数え方とまったくもって合致しない単位を口にしながら、ゆっくりと右手を上げた。]