兎、ってなんだ……よ[やけになって、そのまま湯で顔を洗う。張り付いた前髪を後ろに撫ぜれば、より赤い瞳が見えやすくなるか。広い場所で一人耽っていたことに、恥じらいを感じるでもなく] これは…… いや、それにあんただって[浴槽の縁に手をかけ、少しだけ身を乗り出した。ギィの瞳も、少し赤く見える。この男が泣いたとは、レトには到底思えなかった] ――…髪[ぬれた赤い髪が流れる様に見惚れた一瞬。赤に狂った時を思い出させるようで、思い切り顔を*背けた*]