ああ、副艦長だの将軍だのは肩が凝るから、
休憩時間くらいは、ガートルードでもなんでも、
適当に呼びやすいように呼んでもいいぞ。
どうせ、そう年は変わらんだろう?
階級だのなんだのは、王宮と戦場以外では単なる飾りだ。
……ここも、既に戦場に足を踏み入れてはいるが、な。
[ ”エレン”と海賊の仲間に名乗っていた名は。
あの時間は、特別だったから。
それ以外なら、どう呼ばれようとかまわないと、
笑いを堪えながら、そう告げた時。
ふっと、記憶の奥を
土色の髪の少年とイチゴの記憶>>202が
掠めたような気がしたが。
それは、まだ一瞬で。
きっと、さっきのように似た髪色の少年だった
弟の面影>>116を重ねてしまっただけだろう、
と思ってしまう。]