[冗談のつもりではあったが、雷帝の事を尋ねられたならば答えた。>>203
剣の腕もさる事ながら、何より政における迅速かつ正確な判断が、その人を斯様に呼ばわらせたのだとも伝えながら。
─ 回想/白翼と黄金と ─
俺が知った事でいいのかと問えば、本なら読める、と返ってきた言葉には真理だなと思いながら、俺は笑っただろう。
生意気というよりは、随分と聡明だと思ったから。
彼の質問は時折容赦がなくて、好奇心に潰されやしないかと思った事もあった。
だが、得てして、賢い者ほど己の無知を自覚するというから、それの類いなのだろうと思っていた。]
俺? あぁ、…ジュードだよ。
へぇ、ウェルか…愛称みたいな名前だな。
[少し考えたが、それでも尚、国内で初めて本当の名を名乗った時だった。
(単純に名乗る機会なんてなかったから、ともいう。)]