―― 医務室前 ――
ああ、そういえばあのときも、そう言ってたっけな。
ただ、俺だったら――…
手前一人で食うより、一人くらい道連れにしてやるかと思うから。
どんな味だろうと、悪くねえって言うだろうと思ってさ。
だからあの時は普通の飯にしといたんだ。
[いいえがおで、そんなことを言った。
冗談である。本気に見えたかもしれないが。
実際は、見た目があまりに壮絶だったから回避したのだ。
この男はシェフと顔なじみの様子だったし、口ぶりから、常連であることは窺い知れる。
味が悪くないというのは本当なのだろう]