キール。 俺は、君が───巫女姫が姫王になればいいと思っていた。 姫王という太陽を天に頂き、 その下で、法の元で貴族と、民とがそれぞれ代表を出しあって国の政を話し合い、行くべき道を決めるように。 いきなりすべてを民衆で決めるのはあまりにも無謀に過ぎるから、姫王という舵を置いておくことで、安定して進めるんじゃないかと。[懐かしい呼び名は、空気を一気に5年前へと引き戻す。教室で議論をしていた口調そのままに、自分の考えを言葉にした。それは例えば、立憲君主制とも呼ばれる国の形。]