ただ、その子……。それを聞いた時、自分は護ってもらう必要なんてないのにって顔してたように見えたんだって。
だから父さん、その子にどうしても伝えたくなったんだって。
騎士が民を護るのは当然のことだって。
その護る民の中には、その子も入ってるんだって。
……俺、その話を聞いた時に、自分も騎士になりたいって思ったんだ。
父さんのように当たり前のように誰かを護れるようになりたいって……。
俺がそう思ったこと。ラクシュに聞いて欲しかったんだ。
[知るはずもなかった。その少年が瞬槍の二つ名を持つラクシュの乗り手だったことを]