― 天上宮 ―[ 後程、共に城下にと、望む妻の言葉に>>193頷く ]ああ、そうだな、其方と城下を巡るのも久しぶりか。[ 思えば、巡り合ったその日にも、祭りに賑わう城下の案内を乞い、互いに離れ難く思う始めとなったのだと思い起こす顔で微笑む。そして、冬花に城下の事を聞いたのだ、という言葉に、ふと瞼を伏せた ]冬花も、此度は随分と力を尽くしてくれた。地上には辛い思い出もあろうから、少々案じていたが、あれもまた強き花だな。