― サクソー川/橋の北西付近 ―
『隊長』
[ 援護に集まってきた弓騎兵達の姿を見ると、それまで黙って一騎打ちを見守っていた部下の一人が声を上げる。彼は構えをを取ったまま、動かずただ首を振った。
思った通り、エドルファスは、援軍が来ても、その力を借りてこの場を制しようとはせず、あくまで盟主の為に働け、と、決然と声をあげる>>209 ]
(先生……あんたの息子は、本当に、たいしたもんだ……)
[ 心に、そう呟きを落とす間にも、若者の胸を染める血は、とめどなく流れて、その紅を広げ、地に零れる。
まるで草原に己が命を捧げるようだと、どこかで思った ]