― 『世界軸』上層・時の広間 ―
[ 背を切り裂かれた痛みは、すぐには襲ってこなかった。それ程、目前の敵を倒す事に集中していたのだろう ]
ふ...う...
[ 『永劫』の名を冠する虚の竜の時が止まり、その巨体が地に伏した>>208その後、深々と竜の首を貫いた長槍を掴んだまま、詰めていた息を吐き出した。途端、ズキン、と痛みが走って顔を顰める ]
ってえ......!
[ 普段硬い表皮に護られて傷を受ける機会が少ない故に、痛みから傷の深さは判断つかない。意識を保っていられるということは、それほどの深手ではないのだろう、と想像がつく程度だ ]
(やばい...)
[ 意識に浮かんだのは、傷そのものへの懸念ではなく ]