[認めるのは癪だから、絶対に口に出したりはしてやらんけど。
封じてきた積み重なる古い記憶も。
この身の上を流れた、長い年月も。
その間だけは忘れて…何もかも無かったことであるかのように、
外見通りの、年齢相応の軽口を叩き合える関係には。
時折…少しだけ、救われる気がする。
思った以上に気を許してしまってるらしい。
だから……たぶんいつか。
俺は、ダーフィに関する記憶も、封じるんだろうか。
一瞬だけ胸を過った痛みの予感を、常のように奥歯で噛み潰して。
しょうがねえなあ…部屋のロックは解除しといてやるよ、と頷いた]