― 帝国前進拠点 ―……夢か。[目を開けると、薄汚れた天井が見えた。今となっては、あの日々は夢のような物だったとは、この前線に配属されてからよく思うことでもある。丸一日寝ていなかったから仮眠を取っていたのだったと、ぼんやりした頭で思い出していたら、部屋の隅にある缶が目に留まった。中には封印するかのように、思い出の品がいくつか納められている。]