[ 治療の優先順位は譲らぬというトールに>>202また笑う ]判った。殊勲者《ユーリエ》の後でな。[ この度ばかりは、ユーリエの治療を先に、と、ローランドにもそう告げる ]一角獣の角もまだあるだろう。使えるようなら使え。[ 公子自身は、己の受けた傷は、自身の腕の未熟故と、思っている。だからむしろ、あの瞬間に感じた怒りは、トールでも、狂乱を齎した狂焔へでもなく、傷受けることを避けられなかった自身への怒りだったのだ。トールに処罰を降す選択など、最初からありはしなかった ]