― それから/白雪とのこと ―
[ばさり。と、翼の羽ばたく音がした。>>190
時ならぬ冷たくない雪が、ふわりと空から舞い落ちる。
釣られるように空を見上げれば、白い姿。
かつて見た人の仕草を真似して腕を出しだしてみれば、白雪は過たず青年の腕へと舞い降りてきた。]
……… ベル、フィ …?
[記憶の中にある名を呼べば、鷹はこちらを見た…ような気がした。
気のせいかも分からない。流石に鳥の表情は管轄外だ。
けれど、かつてのように鳥の羽根に掌を滑らせれば、鷹もまたかつてのように心地良く撫でられてくれる風だった。]