人狼物語−薔薇の下国

469 グラムワーグ・サーガ3 〜反撃の嚆矢〜


魔王 カナン

[それら戦うものどもの上を、竜は飛んだ。
変わり果てた兄弟らを斬る男の激情を嗤い、燃える宿営地の上を一度飛び越し、人間どもが立て籠もろうとしているモーザック砦の旗に影を落として旋回する。

夜空高く飛ぶ黒竜など人間には見えなかろうが、竜の背には魔の光纏う王が在った。
光に縁どられた竜の影絵は、地上からでも見えたことだろう。]


 怒りと恐怖の声が聞こえる。
 血と死の匂いを感じる。
 これは良い。実に心地よい。

 我の心まで躍るようだ。


[風の中で高らかに笑った魔王は、ナールに指示を下す。]

(212) 2017/02/02(Thu) 14:05:55

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