[だが、手応えは弱い。びぃん…と拳に残る痺れ名残をひきながら、着地を決める] ……っくそ。[勇者の、守護者の武器は、ただの武器ではない。精霊の祝福を受けて、魔力の込められた、魔物に特効を持つ特別な武具だ。然し、強力な攻撃技量を持たないアイルリートのナックルでは、この大蛇は聊か堅い。時間をかけて少しずつ手傷を与えれば不可能ではないが、きっとアイルリートの魔力切れの方が先に訪れる。程無く、遠巻きにいろと警告したのに、こちらへ参戦しに走るトオルの姿が目に止まる事となる**]