[話を本題に移せば、カナンからは予想通りの言葉が出た。
ついでに、王府との交渉は既になされたとも聞く。
交渉が不首尾に終わったと聞いて、そうだろうと頷いた。]
ナミュールは千余の時を孤高の裡に過ごしている。
そう言えば聞こえはいいけれど、
結局のところは、大昔のわけのわからない力に頼って、
惰眠をむさぼっているに過ぎない。
[言葉は、敢えて強いものを選んだ。]
今の王府は、絶対に国を開かない。
千年の伝統は、そうそう破れるものじゃない。
けれども、新しい流れはここに、生まれている。
[指を立て、足元を指す。
自分にとも、この地にとも取れる仕草。]