[しゅるしゅるしゅる、がしっ。
もしも漫画であれば、そんな音がしていたでしょう。
ローレルは突如現れた蔦のようなものに絡め取られてしまいました。
慌てて、肩掛けかばん――というよりはポシェットでした――を掴んで、自分を捕まえたものを見ようとします。
けれども紐のようなものとしか分からず、えっえっと小さく声を上げて後ろ向きに引きずられていくだけでした。]
たっ、たすけ、てぇ……!!
[ずるずるずる。
延々と引きずられ、ローレルの目はくるくると回ります。
あれよあれよと引きずられていった先からは温かい湯気が立っていましたが、それどころではありません。]