勿論構わない。どうぞ。
[フリーデルに声をかけられて、すぐに了承の返事をする。具合が悪そうだったニコラスの近くの部屋を迷わず取るのは、何かと周囲を心配して世話を焼くフリーデルらしいなとの感想を抱いた。
かつて自分も村に来たばかりの頃、左足の痛みを誰にも言わずに我慢していたときに、フリーデルから声をかけられた覚えがある。当時は無理をしていた自覚はなく、自力で何とかしなくてはと思っていただけだったが、とても驚いた。
ゲルトにニコラスが今滞在している部屋を尋ねて、その向かいの鍵をフリーデルに差し出しながら、三階の何処に行けばいいのかを伝える。]