[ 最早導く者は此処に非ず。 頭の片隅で迷い子は思う。 愛で育てたあの花は、あの街は、 どうなっているのだろう、と。 悲嘆に暮れた所で何も変わらぬのに。 翼を折られた鳥の生きる場所は籠の中。 一層、舌を切られてしまいたかった。 悲しみを知らなかった。 苦しみも叫びも、涙も。 だから何一つ分からない。 胸が突っ返そうな時、 唇が引き攣り苦悩に身を震わせる時、 どうやって縋れば良いのかも、解らない。 ]