―宿屋 三階―
[教わったニコラスの部屋の前を訪れ、軽くノック数回。
――既に寝ているのか >>206、返事はなかった。
仕方がない、と。
ドアの下から、1枚の紙を部屋に差し込む。
「正面の部屋におります 鍵は開けてあるので、何かあったら遠慮なく頼って下さい フリーデル」
そうして、自分も正面の部屋へ。
冬支度は何の落ち度もなかったためにそちらは全く心配していなかったが、まさか旅慣れしたニコラスが不調になるとは。
何もなければよいのだが。
急速に、不安が心を満たす。
嫌な予感が止まらない。まさか。まさか。―――杞憂であってほしい。
――そうして、しばし眠れぬ夜を過ごした。それでもなお、夜が更ける頃には睡魔に身を任せていたが**]