― 氷の橋 公国側岸壁付近 ―
――公国の攻撃か!?
状況はどうなっている!橋は無事なのか!
[辺りは瞬く間に白い霧に覆われ、酷く視界が利かない。息苦しい。視界の隅に数名の兵士が倒れているのが見える。]
毒物が仕掛けられたわけでもなさそうだが…
あれなら…水に反応して呼吸を奪う霧も作れる…か。
[橋に居た技官が風属性の魔器を使用したのか、霧の濃度が薄くなる。
息苦しさは薄れてきたが代わりに強い冷気を伴った暴風が橋の上を中心にして不規則に吹き荒れ、まるでそこだけ吹雪に見舞われたように細かな氷を巻き上げていた。]