…いや。試験対策お疲れさん。
[顔を上げた瞬間、無表情に切り替わる様子に微苦笑が過ぎる。
立場上、寮の下級生には目を配る必要がある。
それが高じて、何となく気になる相手に声を掛ける癖がついた]
メインの用事は、俺もこっち。
[ひょいと親指で示した方は、
魔器類を記した上級生向けの書籍の並ぶ書架。
カサンドラの試験には、メモの持込みが認められている。
実学を重視する彼女なら、これらが効くかと思いついての若干の悪あがきであった。
他の試験対策よりも力が入るのは、彼女の試験が厳しいからか、担当教官がカサンドラであるゆえか]