『…私たちを守って、』[悲痛な面持ちの次兄に聞かされた顛末に拳を握り、息を詰めた。堪えきれないやり切れなさがこみ上げる。顔を歪め、歯を食い縛って暫し天を仰いだ。穏やかで気持ちの優しい青年だ。優しくも静かに義務を知り、道を歩んでいける青年だ。彼の未来は未だ明るくあるはずだった──…それなのに]