――Tak(ありがとう)...[ろくに声にもならなかった。身に着けたサンストーンに口づけを落とす礼は、死ぬ間際にこれまでを感謝する行為。死を悟った者が、それに一切の不満がないときに行う。] [結局、ワタシ(おれ)は、最期まで自分のために動いた。] [恥ずかしくない死に方を?――一体誰にだ。][意識が溶けてゆく。深い夜の闇に抱かれるように。或いは、深い海の底に沈んでいくように。最初から、許してほしかったのだ。あの責任から逃れることを。あの義務感と使命感から逃れることを。最初から、それを自分だけが許せなかった。]