― 学校跡地 ―
[>>168
ノトカーの手を、ずっと握る。こびり付いた血はもう既に黒くて乾いてしまっていた。
汚れてもかまわない、とずっとずっと握り続ける]
[後生だから、と頭を下げてお願いするカサンドラの姿は。
多くの公国民と帝国民を海に沈めたきっかけを与えた魔女のものとはかけ離れていた]
……ノトカー。
最初から知っていたんだ。
君が、私を好いていたこと。
でも、気づかないフリをしていたんだ。
私には――やらなければならないことが、いや……違う
やらなきゃならない、って思っていたことがあった。
[「家族ごっこ」の日々を思い出す。
妹のようなグレートヒェン、理解のある父と、優しい母、それから――]