― 島 草原 ―
[カナンの言葉>>190 >>191 に、獅子が上げるのは笑うような声。
もっとも、そこには負の感情の響きはなく]
『……それでは、我が宿敵の鎮め、受けてもらえるのだな?』
いや、だから、選択の余地ないでしょ。
[確かめるような言葉に突っ込むと、獅子はまた笑う。
鷹揚な態度と、受けた傷をものともせぬ様子。
獅子という生物特有の威風もあるのだろうが、その様子はごく自然に『王』としての存在を感じさせた]
『……それでは、十分に休息したならば、改めて我を呼べ。
彼の魔女の領域へと誘おう』
[そう、告げると獅子は森へとゆるり、引き返していく。
餓鬼と小鬼の群れがそれに付き従うように進み、やがて、その姿は木々の向こうに消え失せた]