[紫毒の一族も、等しく矢の脅威に晒された。弓兵に見つかれば射止められ、無様な死骸を地に晒す。しかしながら、森の中こそが彼らの本領だった。見つからずに森にたどり着いたものたちは、素早く木に登梢に身を隠した。枝葉のざわめきに紛れて移動し、獲物の頭上から糸を垂らす。悲鳴を上げながら梢の間に連れ去られたものは、二度と戻らない。少しずつ少しずつ、不可視の死が弓兵を侵食していく。]