―医務室―
まあ、出血の件はカークが悪いな。
[カークが目を覚ます前のことだったか。
ベルティルデの緊張が幾らか解けたのか
増えてきた軽口>>162に向けて相槌を打って。
淡々と伝えたいことだけ伝えれば
返って来たのは強い感情の感じられる声だった。>>163
ダーフィトは医務室へと来る途中、
自分へ向けられていたベルティルデの視線の意味を知らない。
仮に冷静さの理由を問われることになれば、誤魔化しただろう。
…心の奥底の信頼を望む気持ちだとか、動揺だとか。
それら全てに蓋をして、見ないフリをする。
どこまでも常と変わらず冷静さを失わないのはそのせいだ。]